「除菌スプレー」は法律上の区分が3つに分かれている
同じ棚に並んでいても、除菌スプレーは表示のうえで別々の区分に属しています。ここを知らずに選ぶと、手に使えないものを手指用として買ったり、食器に使えないものをキッチンで使ったりすることになります。
指定医薬部外品は、手指の消毒を目的として承認された製品です。パッケージに「指定医薬部外品」と明記され、効能の表現が認められています。人の手指に使う目的ならこの区分を選びます。
食品添加物のみで構成された製品は、口に入るものに触れる場所で使う前提で作られています。まな板、包丁、食器、食品を扱う調理台などに使えるのはこの区分です。表示に「食品添加物」とあるかどうかで判断します。
雑貨(それ以外)は、物の表面を拭く用途の製品です。ドアノブ、テーブル、スイッチまわりなど、直接口に入らない場所に使います。手指用としては作られていません。
用途と区分が合っていないと、効果の問題以前に、想定されていない使い方になります。買う前にパッケージのどこかにある区分表示を見るのが、最も確実な選び方です。
比較表の商品を「成分と使う場所」で読み分ける
ページ上部の比較表は単価の安い順に並びますが、キッチン用のアルコール、手指用のアルコール、次亜塩素酸水、布や空間に使う除菌消臭ミストといった、使える場所の違う商品が同じ表に並びます。単価で選ぶ前に、商品名とパッケージの表示から、どのグループの商品かを確かめてください。
| グループ | 商品名・表示の目印 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| キッチン用アルコール | 「アルコール除菌」「キッチン用」「つめかえ用」、「食品添加物」の表示 | 調理台・冷蔵庫・食卓など。表示があれば調理器具にも |
| 手指用アルコール | 「消毒用」「手指」、「指定医薬部外品」の表示 | 人の手指。物の表面に使うと割高になりやすい |
| 次亜塩素酸水 | 「次亜塩素酸水」「微酸性」 | 物の表面の拭き取り。光や時間で弱まりやすい |
| 除菌消臭・抗菌ミスト | 「除菌消臭」「抗菌」「ミスト」「ノンアルコール」 | 布製品・靴・室内のにおい対策など。手指用ではない |
「除菌」の文字だけでは、手に使えるか分からない
どのグループの商品にも「除菌」と書かれていますが、手指に使えるのは手指用と表示されたものだけです。キッチン用や除菌消臭ミストを手に使うのは、想定された使い方ではありません。前の節の区分表示とあわせて、パッケージの「使用できる場所」の欄を確かめてください。
単価は同じグループの中で比べる
比較表の単価は1mLあたりですが、携帯用の小さなボトルと詰め替え用の大きなパックでは単価が大きく違い、成分の違う商品同士では同じ量で同じ使い方ができるわけでもありません。単価を比べるのは同じグループの中だけにしてください。複数サイズのセットは、1本ずつの容量と使い道を分けて考えると選びやすくなります。最新の価格と単価はページ上部の比較表(自動更新)でご確認ください。
アルコール濃度は高ければよいわけではない
アルコール(エタノール)を使った製品では、濃度が使用感と適した場面を左右します。一般に、消毒用として広く使われてきたのは60〜80%程度の範囲です。
意外に思われるのが、濃度が高すぎても目的に合わないことがある点です。無水に近いエタノールは蒸発が非常に速く、対象物の表面に留まっている時間が短くなります。水分がある程度含まれているほうが、対象に馴染む時間を確保しやすいとされています。
濃度が低い製品は、その分だけ刺激が穏やかで、手荒れしやすい人や素材を傷めたくない場面で選ばれます。アルコールに過敏な体質の方や、小さな子どもがいる家庭では、アルコールを使わないタイプという選択肢もあります。
いずれの場合も、パッケージに記載された用途と使用方法に従うことが前提です。濃度の数字だけを比べて選ぶのではなく、どこに使いたいかから逆算してください。
素材によっては使えない場所がある
アルコールは油脂や樹脂を溶かす性質があります。そのため、拭いてよい場所とそうでない場所があります。
避けたほうがよい代表例は、塗装面、ニス塗りの木部、革製品、一部のプラスチックです。テレビや液晶画面のコーティング、眼鏡のレンズコートも傷むことがあります。白く曇る、べたつく、色が移る、といった変化は元に戻りません。
初めて使う場所では、目立たない部分で試してから広げるのが安全です。特に賃貸住宅の建具や家具は、変色すると原状回復の問題になりかねません。
また、次亜塩素酸系の製品と混ぜないことも重要です。用途が近いため同じ場所に置きがちですが、種類の違う洗浄剤や漂白剤と併用する場合は、それぞれの注意書きを確認してください。
保管で気をつけること
アルコールを含む製品は引火性があります。これは濃度が高いほど顕著で、扱いには前提となる注意があります。
- 火気の近くで使わない・置かない。コンロまわりで使うときは必ず火を止めてから
- 直射日光の当たる場所や車内に置かない。高温になると容器が変形したり内圧が上がったりします
- 詰め替えるときは容器の材質を確認する。アルコールに対応していない容器では、劣化したり成分が漏れたりすることがあります
- 開封後は早めに使い切る。揮発によって濃度が変わることがあります
詰め替え用の大容量パックを使う場合、スプレーボトルは繰り返し使うことになります。ノズルの内部に汚れが残ると詰まりの原因になるので、詰め替えのタイミングで容器を洗い、乾かしてから入れてください。
用途を分けるとコストが下がる
一本ですべてを賄おうとすると、どうしても高い区分の製品を全用途に使うことになります。手指に使える製品でテーブルを拭き、食品に使える製品でドアノブを拭く、という状態です。
用途ごとに分けると、それぞれ適した製品を選べるうえ、消費のバランスも取れます。食品まわりだけ食品添加物の製品を使い、物の表面は雑貨区分の製品で拭く、という分け方が現実的です。
詰め替え用の大容量を使うと、スプレーボトルを買い直す必要がなくなるぶん負担は下がります。ただし前述のとおり保管には条件があるので、置き場所を確保できる範囲にとどめてください。
具体的な価格や1mLあたりの単価は変動するため、ページ上部の比較表(自動更新)でご確認ください。
買ってから気づきやすい失敗と、その避け方
比較表の単価や容量だけでは分からない、使う場面で起きやすい失敗をまとめました。
汚れの上から吹きかけて終わりにする
油汚れや食べこぼしが残った上に除菌スプレーを吹いても、汚れに邪魔されて表面に届きにくくなります。先に汚れを拭き取ってから吹きかけるのが基本の順番です。吹きかけたあとは、表示に「拭き取る」とあれば拭き取り、「そのまま乾かす」とあればすぐに拭かずに置いてください。
次亜塩素酸水を、透明なボトルに移して窓辺に置く
次亜塩素酸水は、光や熱、空気に触れる時間で力が弱まりやすい液体です。透明なスプレーボトルに移して日の当たる場所に置くと、使う前に弱まってしまうことがあります。遮光できる容器に入れ、少量ずつ移して早めに使い切るのが安全です。金属に付けたまま放置するとサビの原因になることもあるので、金属部分は使ったあと水拭きしてください。
アルコールを吹いた直後に、コンロの火をつける
調理台やコンロまわりにアルコールを吹きかけた直後は、気化したアルコールが周りに残っています。火を使うのは、拭き取って乾いてからにしてください。IH でも、すぐ横のガス機器やトースターなどの熱源には同じ注意が要ります。
除菌消臭ミストを、手や顔の近くで使う
布製品や部屋のにおい用のミストは、人の肌に使う前提では作られていません。ソファやカーテンに吹くときは、顔の近くで吹かない、子どもやペットが吸い込まない場所で使うなど、表示の注意を守ってください。革・シルク・水じみしやすい素材は、目立たない場所で試してからにします。
携帯用ボトルを、夏の車内やかばんに入れたままにする
小さな携帯用ボトルは持ち歩きやすい反面、夏の車内や日の当たるかばんの中では高温になります。アルコールを含むものは容器が変形したり中身が漏れたりする原因になるので、車内に置きっぱなしにしないでください。
まとめ
除菌スプレーは、まず指定医薬部外品・食品添加物・雑貨のどれに当たるかを確認し、使いたい場所に合った区分を選ぶのが出発点です。濃度は高ければよいというものではなく、蒸発の速さや刺激の強さとの兼ね合いで決まります。
塗装面や革、画面のコーティングなど使えない素材があること、引火性があるため火気と高温を避けることは、どの製品でも共通の注意点です。用途ごとに分けて使うと、それぞれ適したものを選べます。
キッチンまわりの衛生管理は他の道具とも関わります。あわせて キッチン泡ハイターなど台所用漂白剤の比較 もご覧ください。
※ 掲載価格は執筆時点での楽天市場における販売価格です。価格は変動する場合があります。最新の価格は各商品ページでご確認ください。