つけ置きだけでは、汚れは落ちきらない
最初に押さえておきたいのが、洗浄剤の役割です。つけ置きは、こすり洗いの代わりにはなりません。
入れ歯に付く汚れは、食べかすのような目に見えるものと、その上にできる膜状の汚れに分かれます。洗浄剤が働くのは主に後者で、こびりついた汚れや歯石に近い状態のものは、薬液に浸けただけでは取れません。
一般的に案内されているのは、外したあとに水で流してブラシで洗い、そのうえで洗浄剤に浸けるという順番です。どちらか一方ではなく、両方でひとつのケアになります。
- 洗うときは、入れ歯専用のブラシか、やわらかいブラシを使う
- 歯みがき粉は使わないのが一般的です。研磨剤で表面に細かい傷が付き、そこに汚れが入りやすくなるためです
- 落とすと割れるので、洗面器に水を張った上で洗うと安心です
洗浄剤に浸けているのに汚れが取れない、においが残るという場合、原因はブラシ側にあることが少なくありません。
部分入れ歯は、金具に合うものを選ぶ
タイプ選びでいちばん重要なのがここです。部分入れ歯には金属のバネ(クラスプ)が付いています。
洗浄剤のなかには、金属に影響する成分を含むものがあります。総入れ歯用として売られているものを金具付きの入れ歯に使い続けると、変色などが起きることがあります。
- 部分入れ歯を使っている:部分入れ歯対応、または金属に使えると明記されたものを選びます
- 総入れ歯だけ:総入れ歯用でも兼用でも問題ありません
- 家族で種類が違う:兼用タイプにまとめると、取り違えの心配がなくなります
パッケージには対応する入れ歯の種類が必ず書かれています。「入れ歯用」とだけ書かれた商品でも、中の説明に条件が書かれていることがあるので、最初の1箱は説明書きを読んでおくと安心です。
水温とつけ置き時間には理由がある
使い方の指定は、守ることで結果が変わります。
- 水温:多くの商品でぬるま湯が指定されています。冷たすぎると発泡や洗浄の働きが鈍り、熱すぎると入れ歯そのものが変形することがあります。熱湯は使いません
- つけ置き時間:短すぎると十分に働かず、指定より極端に長く浸ける必要もありません。商品ごとに目安が書かれています
- 使用後は水でよくすすぐ:薬液が残ったまま口に入れないよう、流水で洗ってから装着します
つけ置きに使う容器は、専用のケースか、この用途だけに使う容器にしておくのが無難です。食器と共用すると、薬液が残る心配があります。専用ケースには水切りの構造が付いているものが多く、そのまま保管にも使えます。
外している間の保管が、においを左右する
入れ歯は、外している間に乾燥させると変形することがあるとされています。多くの場合、水や洗浄液に入れた状態で保管するよう案内されています。
ここで注意したいのが、水に入れっぱなしにしたまま何日も替えないことです。水そのものが傷み、においの原因になります。
- 就寝中に洗浄剤に浸ける習慣にすると、保管とケアが同時に済みます
- 洗浄液は使い回さず、毎回新しく作ります
- 使わない日が続く場合も、水を毎日替えます
においが取れない状態が続くときや、入れ歯が合わなくなってきたと感じるときは、歯科で相談してください。 洗浄剤で対処できる範囲を超えていることがあります。
毎日使う前提で量を決める
洗浄剤は1日1回使うのが基本なので、消費のペースが読みやすい商品です。1か月でおよそ30回分と考えれば、必要な量が計算できます。
- 徳用・まとめ買い:毎日使う人にはそのまま有利です。切らす心配もなくなります
- 少量パック:香りやタイプが自分に合うか試す段階に向きます
錠剤は湿気に弱く、個包装のものは開封しなければ長く持ちます。逆に、ボトルに入った大容量タイプは開けたあとの保管に気を使います。洗面所は湿気の多い場所なので、置き場所を考えてから量を決めてください。
香りについては、口に入れるものに近い位置で使うため、強さの好みが分かれます。大容量で買う前に、一度試しておくほうが確実です。
使うときと保管の注意
入れ歯洗浄剤は口に入れる入れ歯に使うものですが、洗浄剤そのものは飲んだり口に含んだりするものではありません。扱いの注意はパッケージの表示に書かれているので、最初の1箱は裏面の注意書きと応急処置の欄に目を通しておくと安心です。
子どもや家族の手が届かない場所に置く
錠剤は小さく、ラムネや薬と見分けにくいことがあります。子どもや、認知症などで取り違えが心配な家族がいる家では、錠剤の箱も、錠剤を溶かした液を入れたケースも、手の届かない場所に置いてください。コップに浸けたまま食卓や枕元に置いておくのは避けます。
溶かした液を飲み物の容器に入れない
つけ置きに、飲み物用のコップやペットボトルを使うのは避けてください。見た目が水と変わらないため、飲み物と取り違えるもとになります。入れ歯専用のケースか、この用途だけに使う容器を決めておきます。
目に入った・飲み込んだときは表示の応急処置に従う
目に入ったり、液や錠剤を口に入れてしまったりしたときは、まずパッケージの「応急処置」の欄に従い、異常があれば医師に相談してください。受診するときは洗浄剤の箱を持っていくと、成分が伝わりやすくなります。誤飲で迷ったときの相談先は、日本中毒情報センター が案内しています。
まとめ
入れ歯洗浄剤は、ブラシでのこすり洗いと組み合わせて使うものです。つけ置きだけで汚れが落ちきるわけではなく、順番としては洗ってから浸けるのが基本になります。
部分入れ歯の場合は、金具に対応した商品かどうかを必ず確認してください。水温とつけ置き時間の指定にも、それぞれ理由があります。
上部の比較表では1錠あたりの価格で並べています。毎日使う消耗品なので、対応する入れ歯のタイプを絞ってから単価を見比べると選びやすくなります。
※ 掲載価格は執筆時点での楽天市場における販売価格です。価格は変動する場合があります。最新の価格は各商品ページでご確認ください。