宅配水のウォーターサーバーは、公式サイトを見ると「1本◯◯円」「レンタル料0円」「送料無料」と分かりやすく書かれています。ところが実際に払う金額は、その数字だけでは決まりません。サーバーにかかる固定費と電気代が、水の代金とは別に毎月乗るからです。
この記事では、水の代金だけでなくサーバーの固定費と電気代を足した月額で4社を並べました。上部の比較表は共通の使用量でそろえてあり、契約期間と解約金も同じ表に載せています。
宅配水は「使うほど高くなる」仕組みです
最初にはっきりさせておきます。宅配水は水そのものを買うサービスなので、使う量に比例して支払いが増えます。定額で使い放題の浄水型とは、コストの伸び方が逆です。
- 浄水型:月額が一定。たくさん使うほど1リットルあたりは安くなる
- 宅配水:使った量ぶんだけ支払う。たくさん使うほど総額が上がる
つまり「宅配水と浄水型のどちらが得か」は、水道水をろ過した水で構わないかどうかで先に決まります。そこが許容できるなら、コストでは浄水型がほぼ勝ちます。それでも宅配水が選ばれるのは、天然水そのものを飲みたい、水道水の味が気になる、赤ちゃんのミルクに使いたいといった理由があるからです。
浄水型と迷っている段階の方は、先に浄水型ウォーターサーバーの比較を読んでから戻ってきてください。この記事は「宅配水で行く」と決めた方向けです。
公式の「1本◯◯円」に入っていない2つの費用
各社が前面に出す価格は、ほぼ水の代金だけです。実際の請求書には、これに次の2つが乗ります。
① サーバーの固定費 レンタル料0円とうたっていても、加入必須のサポートオプションが毎月かかるサービスがあります。逆に、前月の注文量が一定以下だとレンタル料が有料に切り替わるサービスもあります。「0円」に条件が付いていないかを必ず確認してください。
② 電気代 これが見落とされます。各社が公表している電気代の目安には、2倍以上の開きがあります。省エネ機能の有無による差です。少量しか使わない世帯ほど、この固定的な差が1リットルあたりの単価に強く効きます。
比較表の月額は、この2つを足した金額です。水の単価がもっとも安いサービスが、総額でも1位になるとは限りません。
使用量が変わると順位も変わります
比較表は共通の使用量でそろえていますが、使う量を減らすと順位は入れ替わります。固定費と電気代の比重が上がるからです。
| 使い方の目安 | 効いてくる要素 | 選び方の指針 |
|---|---|---|
| 少量(飲用が中心) | 電気代・毎月の固定費・注文ノルマ | 固定費と電気代が軽いサービス |
| 中量(飲用+お茶やコーヒー) | 水の単価と固定費が拮抗する | 総額で比較する |
| 多量(料理にも使う) | 水の単価がほぼすべて | 水の単価が安いサービス |
ここで見落としやすいのが注文ノルマです。最低注文本数が決まっているサービスでは、飲みきれなくても支払いは発生します。少量利用の世帯にとっては、単価よりノルマのほうが総額を左右します。
契約期間と解約金は「差額を吹き飛ばす」規模
宅配水でもっとも金額のインパクトが大きいのが解約金です。月々の差額を何年ぶんも一度に打ち消す規模になることがあります。
比較表の「契約期間」「解約金」の列は、この不利益条件を隠さないために置いています。押さえるべきは3点です。
- 縛りの重さはサービスごとに桁が違う。期間の縛り自体がないサービスもあれば、数万円かかるサービスもあります
- 安いプランほど契約年数が長い傾向があります。単価の安さは、長く使う約束と引き換えです
- 解約金とは別に、サーバーの返却・引取手数料がかかることがあります。自分で返送すれば軽くなるサービスもあります
引っ越しの予定がある方、家族構成が変わりそうな方は、単価の安さより縛りの軽さを優先したほうが結果的に安く収まります。
対応エリアは申し込み前に必ず確認
宅配水は水を物理的に運ぶサービスなので、配送できない地域があります。北海道・沖縄・離島が対象外だったり、追加送料がかかったりするサービスがあります。同じ会社でも、水の産地によって配送範囲が変わることがあります。
対象外の地域から申し込むと手続きが進まず、時間だけを失います。お住まいの郵便番号で対応可否を確認してから申し込んでください。
こんな人には向いていません
正直に書きます。次に当てはまる方は、宅配水を導入しないほうが得です。
- 水を飲むのは1日に数杯という方。ノルマと固定費のほうが水の代金より重くなります
- 水道水の味が特に気にならない方。それなら浄水型か浄水ポットのほうが確実に安く済みます
- 数年以内に引っ越す可能性が高い方。契約期間の途中で解約すると解約金がかかります
- ボトルの保管場所がない方。12リットルのボトルは2本で1セット届くため、置き場所が要ります
- 重いものを持ちたくない方。ボトル式は交換のたびに12キロ近くを持ち上げます(軽量パック式なら回避できます)
飲みたいのは天然水だけで、サーバーの固定費や契約期間の縛りは背負いたくないという場合は、ペットボトルの箱買いのほうが素直です。同じ「水を買う」仕組みでも、やめるときに解約金も返却作業も発生しません。1リットルあたりの単価と送料の扱いはミネラルウォーターのコスパ比較で整理しています。
選び方は、この順番で決めると失敗しません
- 水の種類を決める。天然水か、RO水か。ここは価格ではなく好みと目的(ミルク用など)で決めます
- 月にどれくらい使うかを見積もる。1日の使用量×30です。ここが決まらないと単価の比較に意味がありません
- ノルマと固定費が使用量に合うかを確認する。飲みきれない量が最低ラインなら、その時点で候補から外します
- 契約期間と解約金を最後に見る。ここで納得できないなら、月額が安くても見送るべきです
ボトル交換のしやすさ(重いボトルか、軽量パックか)も、毎週続く作業なので軽視できません。単価が数円安いことより、続けられる形かどうかのほうが効きます。
この4つを順に埋めれば、公式サイトの「1本◯◯円」を見比べるより、はるかに失敗しにくくなります。